HT横浜 渡邉です。
![Kao Kao]()
以前、このようなブログを書かせて頂きました。
【HT横浜関内店】 埋め込みスピーカーってどうですか?
http://blog.avac.co.jp/yokohama/2017/03/ht-ef36.html
かなりアクセスを頂いております。ありがとうございます。
しかし
「埋め込みじゃなくて天吊りならどうなんですか?」
「こっちの方が音がいいんですか?」
「新しい音響システムとの整合性は埋め込みと壁掛け・天吊りとどっちがいいんですか? 」
「DOLBY ATOMSやDTS:Xはトップスピーカーではなく天吊り・壁掛けで実現できないんですか? 」
「どんなスピーカーが天吊り・壁掛けできるんですか?」
「既築ですが天吊りは無理でも壁掛けは出来ないんですか? 」
「いまさら天井に穴をあけるなんて無理です・・・。 」
「うちは吹き抜けだからトップスピーカーは無理。なんとかならないのか。 」
というご質問・ご要望も増えてきました。
今回はそんなご質問に回答させて頂きます。
すいません。もっと早く考えばよかったですね・・・。
と言うわけで
「天吊りスピーカー」
「壁掛けスピーカー」
についてです。では順に。
1、「埋め込みじゃなくて天吊りならどうなんですか?」
「こっちの方が音がいいんですか?」
にと言うご質問。
音質に関しては「埋め込みのスピーカーってどうですか?」の時に書かせて頂いた
置き設置>壁掛け設置>天吊り設置>埋め込み設置
の順でサラウンド感・没入感は変わってます。
天吊り・壁掛けスピーカーは、置き設置と同じスピーカーを設置するケースが多くありますので、音質に関しては置きスピーカーに近いレベルを維持することも可能です。
肝心な音の聞こえ方は、天吊り・壁掛け共に「ちょっと斜め上から音が降ってくる。場所が合えばむしろすごくサラウンドが効いている」と言う表現が正しいかと思います。
ただ、この後のご質問、いわゆる「イマーシブサウンド」に絡む部分は差が出てきます。
先程のイマーシブサウンドが絡んでいる次のご質問への回答です。
2、「DOLBY ATOMSやDTS:Xはトップスピーカーではなく天吊り・壁掛けで実現できないんですか? 」
「いまさら天井に穴をあけるなんて無理です・・・。 」
「うちは吹き抜けだからトップスピーカーは無理。なんとかならないのか。 」
このご質問は
「新しい音響システムとの整合性は埋め込みと壁掛け・天吊りとどっちがいいんですか?」
へのご質問への回答で集約できるかと思います。
最近のいわゆる「3Dオーディオ」「イマーシブサウンド」と呼ばれるDolbyATOMS、DTS:X、Auro3Dなどのシステムの場合、壁掛け・天吊り・埋め込みスピーカーをトップスピーカーとして使用することが出来ます。ただ、ここ最近少し状況が変わりつつあります。
以下ものすごく簡単に端折って仕組みを図示します。
まずドルビーアトモス・DTS:Xに関しては
簡単に言えばX軸・Y軸・Z軸で音をぶつけて空間上に音場を形成する「オブジェクト型」の音響になります。実際にはこの音場が同時にいくつも作成されています。DTS:Xの場合も基本的には同じようなシステムとなります。
このことから、特に垂直軸であるZ軸に相当するトップスピーカーは、平面として考えるX軸・Y軸とは高さに差があったほうが感覚は出ますので、一番効果的なのが垂直の埋め込み、壁掛け・天吊りはハイトスピーカー扱いになりますので、若干斜め上から音がくる形になります。
次にAuro3Dについてですが、難しい説明は省略しますが考え方としてはすべてのスピーカーがご視聴空間の方向に向かって音を指向して「Auro3Dとして調整されている音」を各チャンネルから出す「チャンネル型」のシステムとなります。
基本構成は5.1CHのベースレイヤーにハイトスピーカーのミドルレイヤー、そして天頂のトップレイヤーの3層構成となります。出る音は立体ですがXYZ軸のような考え方ではありません。各レイヤーに「スピーカーの位置」が決まる形で音場が調整されます。AVC-X8500Hなどで構成される「Auro13」の場合はトップレイヤーの構成も追加されます。
![Auro3d Auro3d]()
こちらは5.1Chのシステムに「違う高さの」スピーカーを加えるという考え方になりますので、基本はサラウンドは置き型、「ハイトスピーカー」は天吊り・壁掛けになります。ただ、アンプ側の調整でトップスピーカーでも対応は可能です。(セッティングとしてはハイトスピーカーになります。)
すでにサラウンドを設置している方に追加することも念頭に置いたシステムです。
ここまでが各システムの概略になりますが・・・。よく見ると共存は可能だったりします。
先程の図示で書かせて頂いた通り、オブジェクト型のシステムは先程の図示のように「X軸・Y軸・Z軸」の3軸=異なる3方向から3次元としての座標を出せればいいという事になりますので、逆に言えば効果に差は出ますが、必ずしも「トップスピーカーでなければDolbyATOMS・DTS:Xは出来ない」と言うわけではありません。
逆にチャンネル型のAuro3Dもレイヤーのルールはありますが「ハイトスピーカーは絶対にこの場所でなければできない」と言うわけではありません。また、ルール上は視聴点から30度の角度の延長線上に音源があればいいので、DolbyATOMS・DTS:XとAuro3Dの共存は、理論上は可能です。(これ以上の角度でもアンプで適時調整を行えます。)但し、アンプ上の設定としては埋め込みでも「ハイトスピーカー」の扱いになります。このあたりはAVアンプの調整能力とメーカーの推奨システム次第です。
実例としては
![Avc_x8500h_jp_bk_fr_cl Avc_x8500h_jp_bk_fr_cl]()
DENON AVC-8500Hで7.1.6CHを行った場合
トップスピーカーの組み合わせは「トップフロント・トップミドル・トップリア」のDolbyATOMS/DTS:Xのサポートか「フロントハイト++トップミドル+リアハイト」のDolbyATOMS/DTS:X/Auro3Dサポートとなるどちらかの構成となります。なお「フロントハイト+トップミドル+トップリア」の構成は出来なかったりします。
ここまでのご説明から質問頂いた各質問への回答として
「ご懸案の点はトップスピーカーの代わりに壁掛け・天吊りハイトスピーカーで代用できます。」
ということになります。が・・・この回答は一部条件があります。
それは
ベースとなるサラウンドの各スピーカーもすべて埋め込みスピーカーの場合、オブジェクト型の各軸の高さに差がなく、チャンネル型のシステムとしても各レイヤー間に差がないことから、イマーシブサウンドに関しては効果が少なくなります。
ただ、埋め込みスピーカーの例外として、Unisonic AHT525IW/AHT650IWの様にツィーターの角度を変えられるものも存在しております。
埋め込みにしても角度がつけられますので、調整できる範囲ではありますがイマーシブサウンド効果の低下を少なくすることが出来ます。
![Aht525iw_d Aht525iw_d]()
じゃ埋め込みって良くないの?と言う話になりそうですが、埋め込みスピーカーには大きな利点もあります。
![Umekomi512 Umekomi512]()
埋め込みスピーカーは基本的に音源が天井にありますので、お部屋全体に音が広がる・お部屋に何もない状況が実現できるなどの点はかなりの利点になります。「その場所全体でみんなで聴きたい」と言うご希望の場合は埋め込みの方がむしろ向いているケースもあるものとお考えください。
このあたりについても
「埋め込みのスピーカーってどうですか?」
で記載させて頂いております。一緒にお読みください。
次に「どんなスピーカーが天井吊り・壁掛け出来るんですか?」というご質問です。
天井吊り・壁掛けの出来るスピーカーはいくつか種類がありますので、代表的なものをご紹介します。
1、LINN クラシックUNIK
![Linn Linn]()
ネットワークオーディオなどでお馴染みのLINNの製品です。構造自体ががいろいろな形の設置を念頭に置いています。このスピーカーの場合、背面に初めから金具を介して様々な設置を行う事が出来るようになっています。
![Linn_2 Linn_2]()
壁掛け、天井のトップスピーカー、専用アタッチメントにオンキョー様の金具を追加して天吊りが可能です。色は白と黒の2色になります。柔軟性を重視していますので、余り癖のない音になります。
2、Eclipce TDシリーズ
![Td307mk2asv Td307mk2asv]()
デンソーテンが販売している「タイムドメイン理論」を用いた独特な形のスピーカーです。
比較的指向性が強く、スイートスポットはあまり広くありませんが、位置が合うとしっかりした空気感が出ます。
![Td508mk3bk Td508mk3bk]()
もう一つの特徴として大きさが複数あり、条件がありますが、天吊りのみでもかなり本格的なシステムにすることが可能です。
本体は卵型の本体に角度調節が可能なスタンドが付いていますが・・・。
![Img_4778_2_2 Img_4778_2_2]()
そしてこれをひっくり返すとそのまま天井吊りスピーカー、壁につけると壁掛けスピーカーとすることが可能です。こちらの写真はTD508MK3を3台天吊りにしたものです。TD510は壁掛け出来ませんのでご注意ください。
このスピーカーは設置方法にとても柔軟性があり便利なスピーカーです。また、サラウンド構成としてフロントは本格的な大きいもの、リアは小さいものと言うような使い分けも可能です。
色は白・黒・銀の3色。
3,Unisonic AHT40R
![Aht40r400 Aht40r400]()
![Aht40r_2 Aht40r_2]()
こちらは弊社オリジナルのスピーカーです。お手軽で、それでいて必要十分な性能を持っています。天吊り・壁掛け共に別売りのアームを取り付ける必要がありますが、比較的安価に天井吊りが可能です。
4,JBL 4312M2+MTC-U1
![4312m2wx 4312m2wx]()
天吊りとしては重量級の商品です。典型的なJBLモニター型スピーカーです。
そしてこの商品、JBLの専用金具「MTC-U1」を使用すると天吊り・壁掛けが可能です。音に関してはもちろんかなりしっかりした音が出ます。
![Jbl4312m2_mtcu1w_ Jbl4312m2_mtcu1w_]()
そしてその存在感は「スピーカー天吊り・壁掛けしています!」とお見せするのに十分なシステムです。このスピーカー設置に関しては重量の関係から、事前ご相談が必須になります。
5,その他
このほかにも壁掛けが前提になりますが、各メーカーにも設置可能なスピーカーがございます。
DALI ALTECO C1や
PIEGA IP1.2
![Ap12produkt Ap12produkt]()
B&W 686S2やDALI ZENSOR1、Monitoraudio BRONZE1、ELAC BS302なども壁掛け・天吊り(こちらは条件付き)使用可能です。音色を揃えたほうがいいなど諸条件にもよりますが、ケースバイケースになりますのでご相談ください。
そして
「既築ですが天吊りは無理でも壁掛けは出来ないんですか? 」というご質問ですが
こちらについては「基本的には簡単ではありませんが、下見の結果次第です。」と言う回答になります。
埋め込みの場合は、Cabasse EOLE3ICADなど、気を付けないといけないものもありますが、通常天井の補強はいらないケースがほとんどです。設置方法としては石膏ボードに挟み込む形を取ります。この方法の場合、基本的に「幅広い面に複数の点」で支えますので補強が要らない場合がほとんどです。
![Eole3icad Eole3icad]()
この事例についてでも「埋め込みスピーカーってどうですか?」でご紹介しています。
そして天吊り・壁掛けになりますが、
どちらの取付方法共、完成されたスピーカーそのものをアームを使って天井から下方向にに吊るすことになりますので、重さ自体も大きく変わります。
![Eclipce_4 Eclipce_4]()
まず天吊りの場合、垂直方向に支えるのが台座の部分のみと言う事もあり、かなりの荷重が掛かることから設置には条件が付きます。
![Td307mk2a_setup3_2 Td307mk2a_setup3_2]()
壁掛け設置の場合は、金具などの設置方法にもよりますが、荷重の掛かり方が下方向に固まりますので、設置条件は同じかむしろ厳しいものとお考えください。
最後に、天吊り・壁掛け設置の条件についてですが
建物の工法でかなり変わります。
新築の場合は建築部分が密接にかかわりますので、事前のご相談
既築の場合は下見の段階でそのまま設置可能か・補強等が必要かの概ねの判断をさせて頂き、工事費用のご提示から(配線方法を含みます。)工事の流れになります。
新築でインストーラーが入った場合は、別途補強方法などを指示させて頂きます。
天吊り、壁掛けは最初のご相談が早い程、事前のアドバイスで設置条件が良くなります。ご新築の場合は早めの相談を、既築・リフォームの場合は下見のご相談をお願い致します。
なお、お問い合わせはメール・お電話でも可能です。
メールの場合はこちらのお問い合わせフォームから!
https://www.avac.co.jp/contents/yokohama_inquiry.html
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